信州味噌とは
信州味噌は米麹と大豆でつくる代表的な「米味噌」で、淡色で辛口を特徴とします。
鎌倉時代、心地覚心が、自身が創建した安養寺(長野県佐久市)でみそ作りを広めたことをはじまりに、
戦国時代には武田信玄が兵糧としてみそを作らせたことで、信州の地でみそ作りが盛んに行われるようになりました。
1923年、関東大震災において首都圏で多くのみそ蔵が被災。
被害のなかった信州からみそが救援物資として送られると首都圏市場で好評を博し、信州味噌は急速に発展拡大していきました。
現在は日本全体で生産・消費されている味噌のおよそ5割を「信州味噌」が占めています。
信州味噌の特徴
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産地
長野県味噌工業協同組合連合会加盟の味噌メーカーにより、長野県内で製造されている味噌のことを「信州味噌」と言います。 -
原料
味噌は麹の種類によって、米味噌、麦味噌、豆味噌などに分かれます。
「信州味噌」は米麹と大豆と塩を原材料とする代表的な米味噌です。 -
色
「信州味噌」は光沢のある冴えた山吹色(淡色)が良質とされます。 -
味・香り
「信州味噌」は酵母と乳酸菌の働きにより、さっぱりとした旨味と豊かな芳香を併せもつ辛口味噌です。しかし、最近は甘いみそが好まれるため、乳酸菌を使用するなど、各メーカーが時代のニーズに合わせて少しずつ風味や味を進化させています。 -
特長
様々な野菜と相性抜群で一緒に食べることが多くとってもヘルシーです。鶏や豚、牛、魚介などのダシにも合います。また、チーズやバターなどの他の発酵食品とも相性が良いのも特長です。
お味噌汁にすると野菜、海草、大豆製品など多くの食材を使うので、ご飯だけでは補えなかったタンパク質を取れると、昔から食べられてきました。 -
栄養成分・
賞味期限信州味噌の主な成分は、たんぱく質、脂質、炭水化物、塩分、ビタミン、ミネラル、食物繊維です。100g中のカロリーは約195kcal。塩分濃度は12%ですが、みそ汁など水に溶けると、摂取するときにはさらに塩分濃度が下がっていることがほとんどです。賞味期限は他の味噌と同様6~12ヶ月です。もともと保存食なので、賞味期限が切れても使用できなくなるわけではなく、風味や色に変化が生じます。
信州味噌の製造方法
米味噌の出来るまで
映像提供:みそ健康づくり委員会
信州味噌の歴史
信濃国筑摩郡(現在の松本市)出身の法燈国師・心地覚心が宋から味噌の製法を習い、
帰国後布教のかたわらみその製法も広めたといわれる。
信濃国にみそ作りが普及したのは、武田信玄が行軍用(兵糧)として造らせた「川中島溜」がきっかけとされる。
大震災で壊滅的な被害を受けた東京に向けて救援物資として送った「信州味噌」が非常に好評を博す。
諏訪地方の製糸工場が閉鎖されたため、
従業員向けに自家用味噌をつくっていた技術をもとに空いた工場を利用して味噌の生産が開始された。
焦土と化した東京に、戦災をほとんど受けなかった長野県から
品質の良い味噌を届けられたことを機に「信州味噌」の評判がより一層高まった。
「信州味噌」のさらなる発展のため長野県味噌検査条例が公布され、厳重な品質検査を定期的に実施し、
品質管理に万全を期した。
団体商標「信州味噌」が登録許可となり、「信州味噌」ブランドが全国的に確立した。
信州味噌研究所完成。
信州味噌研究所南信支所完成。
乳酸菌・酵母の培養、供給を開始。「信州味噌」の品質向上に努めた。
第1、2次近代化促進法構造改善事業の特殊指定を受けて、近代化、合理化に積極的に取り組む。
「信州味噌」の出荷数量は年間20万トンを超え、全国シェア50%以上(全国1位)となる。