2020.5.29
味噌ラボ

「みその褐変~メラノイジン~」

味噌は保存食品ですから、常温保存で全く問題ありません。しかし、常温保存で夏を過ぎますと、みその色が購入時に比べて濃くなることがあります。これは、みその熟成によって「メラノイジン」という褐色色素が生成しているためにおこります。

メラノイジンは、糖とアミノ酸が反応しておきる褐変現象―メイラード反応またはアミノカルボニル反応と呼ばれます―によって生成されます。メイラード反応は、食品中でおきる重要な化学反応で、食品の加熱や熟成によって生じることが知られており、みそ、しょうゆ、ビール、ソース、コーヒー、クッキー、焼き魚などにおいて、特有の色と風味を与えます。

メラノイジンには強い抗酸化作用があることが知られており、糖尿病、がん、高血圧に対する予防効果のあるという実験報告が五明紀春教授(女子栄養大学)によりされています。

このようなことですから、色が濃くなったみそを食べても全く無害です。ただし、みその褐変の進行とともに、本来の味や香りが損なわれていく可能性がありますので、そのようになる前にお召し上がりください。

参考資料:『みそ知り博士のQ&A50』みそ健康づくり委員会

『みそサイエンス最前線』「糖尿病の改善やがん予防効果が期待されるみその褐色色素」みそ健康づくり委員会